2019.02.15更新

数ヵ月前のブログに、「お客様の立場からすれば、弁護士委任の目的・意義は、まず第一に事件解決、第二に弁護士費用、残り第三にその弁護士に委任する安心感など、であると考えます。」と書きました。

私自身、子育てを行うにつれて、上記の考え方を改める思いに至りました。

 

肉体的にも精神的にも大変な子育てをこなしていくためには、子育てを「作業」であると捉えたり、夫婦間の「分業制」と捉えたりしてはいけません。「無償の愛」という言葉がありますが、これは「自己犠牲」を表すものではありません。子に対して行っていることは、自分の心身を削るものではなく、自分の生命感を高めるものです。「無償の愛」は、子の視点から見た言葉というより、親自身の視点から見た言葉であると思えます。

自分のなかに息づいているあらゆる表現を他人に分け与えること。それは自分の生命感を高め、幸福を感じさせる。すなわち、「貢献感」こそが自分の幸せになります。

今、子に対してしていることは、「貢献」であり、幸せを感じること。そして、相手方配偶者が我が子に対してしてくれることは、子の親である自分に対してしてくれることと全く同じ。素直に感謝をする。その感謝は必ず相手方配偶者に伝わる。それは相手方配偶者の「貢献感」を育む。

 

このようなことを子育てを通じて実感しています。このことは、私の弁護士業にも影響を与えつつあることを感じています。

相談者の抱える悩みを、ほんとうの意味で和らげるのは、事件解決の結果やコストパフォーマンスではありません。悩みのプロセスのなかで、人と関わり、自分自身が強くなることでしか根本解決にはならないのです。「依頼者が強くなること」そのきっかけを見つけ、サポートをするのが悩みを扱う職業人の務めです。弁護士は、事件解決のプロであると同時に、「精神的サポートのプロ」でもある必要があります。

私自身、どんなときに貢献感と幸せを感じるかを考えると、事件のプロセスを通じて依頼者の方が強くなったと感じたときであると振り返りました。今後の私の仕事人生におけるテーマが定まりました。私自身にしかできないことを通じて世の中に貢献する。言うは易く行うは難し、です。まずは、法律以外の、子育て論、心理学、脳科学などの勉強を始めました。

 

私と関わる相談者の方々が、少しでも心が軽くなったり、強くなるきっかけを見つけることができるために、私自身が成長しなければならないことを強く決意しています。

投稿者: さくらい法律事務所