2015.11.07更新

先日、名古屋の裁判所に行くついでに、美味いと言われているラーメン屋に行った。

そこの店主は何百軒もラーメン屋を渡り歩いて研究を重ねたということらしい。

さて、研究の成果をみせてもらおうじゃないか。のれんをくぐった。

出てきたラーメンのスープを一口すする。無言。。。のち感嘆。

いいワインを一口飲むとブドウ畑が広がる。そんな感動。

完食後、素直に思ったのは、「食べさせてくれてありがとう。修行してくれてありがとう。」

店主と店員の「ありがとうございました」に、客が「ありがとうございました」と返すのはなんとなく気恥ずかしかったので、

店主の目をしっかり見て「ご馳走様でした」と伝えた。自分の感謝はきっと伝わったはずだ。

 

店を出てふと思う。

そういえば自分はお客様にありがとうと言えているのか、と。

「うちのラーメン食べてくれてありがとう」と同じように、「私に法律相談させてくれてありがとう。受任させてくれてありがとう。」と。

普段からそう思うようにしなきゃいけないなとは考えてはいるが、日々忘れがちになる。

法律相談終わりや事件終了打合せの際に、お客様は必ずありがとうございましたと言ってくださる。

先にありがとうの言葉を受けるから、どうしても弁護士はいい気になってしまう。やってやったぞ、と。

客側に感謝されるのが常態化している職業など、なかなかないだろう。

頭を下げてお仕事をもらう、そんな風土が弁護士業界にはない。

 

「今日は来ていただいてありがとうございました」と先に言える弁護士でありたい。

そして、心からそう思っていないと、いい法律相談、いい事件処理はできない(綺麗事じゃなくてこれは絶対そう)。

ラーメン屋の店主に気付かせてもらえた。

投稿者: さくらい法律事務所