2016.05.20更新

日本国憲法第32条には、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」と定められています。

日本に住む人は誰でも、自分の人権・権利・法的利益などを実現するため、裁判所の力をかりる権利を持っています。

弁護士をやっていますと、この「裁判を受ける権利」という公的サービスのありがたみを感じざるをえません。

裁判所のサービスの対価として、原告・申立人が支払うのは、収入印紙ですが、

どう考えても、1つの案件に対して生じる裁判所の人件費等は膨大であり、納める収入印紙の額など微々たるものです。

裁判所の人件費が税金から賄われていることを考えると、自分個人の権利実現のために、税金を使わせてもらっていることになります。

何らかの事情で、個人の権利が阻害され、その回復のために社会全体がカバーする。

裁判も保険の考え方と同じですね。

 

ただ、最近、この裁判制度のありがたみを感じていない同業者がちらほらいるように感じます。

明らかに裁判で勝てないであろう案件を裁判に持ち込み、税金を使って、さらに相手方にも精神的・経済的負担を及ぼす。

そういう案件は、弁護士が相談者を説得して、社会的損害の発生を未然に食い止める必要があります。

勝てない事件でも着手金欲しさにとりあえず受任するという行為は、依頼者だけでなく、社会的にも害悪です。

 

しかし、すべての弁護士から受任を断られたであろう不当請求の本人訴訟の出現はどうしてもあります。

その相手方からの相談を受け、受任させていただくこともあります。

完全に訴訟を起こした側の本人のほうが悪いのに、依頼者は本当に気の毒です。

こういう場合は、なるべく弁護士費用を安くしたうえ、

沈みがちな訴訟経過を、考え方を変えてなるべく楽しくやれるようにしたいものです。

 

投稿者: さくらい法律事務所